プレスリリース

2022.03.29

人工知能(AI)を活用した野菜5品目の市場価格予測の精度を向上

株式会社ファームシップ(本社:東京都中央区 代表取締役 北島正裕 以下「当社」)は、NEDOの「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」事業において、国立大学法人豊橋技術科学大学(以下「豊橋技術科学大学」と人工知能(AI)を活用した野菜の市場価格の予測アルゴリズムを開発し、東京都中央卸売市場大田市場のレタス、トマトやイチゴなど5品目の市場価格を週次単位で高精度に予測する取り組みを進めており、2021年春より無償での市場価格予測サービスを展開してきました。このほど従来の予測手法からより精度が高い予測が可能な手法を取り入れ、市場価格の予測精度の向上を確認しました。市場価格予測を有効活用することで収穫量や供給量の調整を行い、業界全体の生産性と収益性の向上を目指します。

1.概要
株式会社ファームシップおよび豊橋技術科学大学は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が取り組んでいる「人工知能技術適用によるスマート社会の実現※1」事業において、AIを活用した野菜の市場価格予測アルゴリズムの開発を進めてきました。その成果として開発した東京都中央卸売市場大田市場(以下、大田市場)における市場価格予測アルゴリズムをもとに、2021年3月24日より大田市場における市場価格予測データの無償提供を開始しました。対象品目は生産や流通量が多く、現時点で予測精度の高いレタス、トマトやイチゴなど計5品目に広げてサービスを展開してきました。

2.今回の成果
これまでのレタスの市場価格などのビッグデータを収集後、AIでそれらを機械学習させて解析し、一週間先のレタスの市場価格を高精度に予測する仕組みを開発してきましたが、今般、サービスの利便性を向上させるために、従来の予測単位である翌週に加えて、翌々週の市場価格を予測する仕組みを開発しました。
また、さらなる予測精度の向上のため、従来の分析手法ではなく、LSTM等の機械学習による新たな分析手法を用いた予測を用いることで、予測精度が1週先では決定係数R2が0.81から0.95、2週先では0.66から0.89へ向上することを確認しており、引き続き新たな手法の確立を目指して研究を進めております。

図1 従来の分析手法(左)と新たな分析手法(右)による予測結果の違い

図2 従来の分析手法(左)と新たな分析手法(右)による予測結果のばらつき

この市場価格予測実証サービスの利用希望者は、(株)ファームシップが運営する下記のサイトにアクセスし、
ユーザー登録することによって対象5品目の市場価格の予測をメール配信により無償で入手できます。

■サービスサイトURL:https://priceforecast.farmship.co.jp/
■対象市場:東京都中央卸売市場大田市場
■対象品目:レタス、トマト、ミニトマト、イチゴ、ほうれん草 の5品目
■予測単位:翌週および翌々週
■サービス開始時期:2022年1月25日
■配信内容イメージ:下図参照

図3 野菜市場価格予測の配信結果(一部抜粋)

3.今後の予定
ファームシップ、豊橋技術科学大学は、引き続きAI技術を活用した低コストで高精度な青果物の市場価格予測技術 を確立するとともに、需要予測システムの有効性を検証していきます。また、本事業を通じて青果物の需給最適化に取り組み、販売機会の損失を防ぐことで得られる生産者の所得向上や適切な生産および流通によるフードロスの削減を実現し、環境に配慮した持続可能な農業の発展に貢献します。

※この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の
結果得られたものです
【注釈】
※1 人工知能技術適用によるスマート社会の実現
事 業 名:人工知能技術適用によるスマート社会の実現/AIによる植物工場等バリューチェーン効率化システムの研究開発
事業期間:2018年度~2022年度

4.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
(株)ファームシップ 担当:近藤 TEL:03-5829-9601
豊橋技術科学大学 総務課広報係 担当:岡崎、高柳 TEL:0532-44-6506

お問い合わせ先

本件に関する取材・インタビュー、御問い合わせは下記までお願い申し上げます。

企業名:株式会社ファームシップ

E-mail: info@farmship.co.jp

Website: http://farmship.co.jp

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