プレスリリース
2025.09.18人工光型植物工場で大豆生産効率10倍、CO₂排出1/10に削減 ~園芸学会令和7年度秋季大会にて研究成果を発表予定~
株式会社ファームシップ(本社:東京都中央区、代表取締役:三上祐志郎、以下「ファームシップ」)は、TPR株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長兼COO:矢野和美、以下「TPR」)と共同研究を進め、完全閉鎖型人工光型植物工場を活用した大豆栽培において、国内平均の約10倍となる1.8t/10a超の面積当たりの生産性と、単位重量あたりのCO₂排出量を従来比1/10以下に抑える成果を実証しました。本研究成果は、園芸学会 令和7年度秋季大会にて発表を予定しています。
我々は、TPRが目指す持続可能なタンパク質供給モデル構築に向け、植物工場建設において世界最大級の実績を有するファームシップの技術力を活かし、通年稼働が可能な完全閉鎖型人工光型植物工場による大豆の安定供給と環境負荷低減を両立する研究に取り組んできました。とりわけ、下記の技術要素により、生産効率と資源効率を同時に大きく高め得ることを確認しました。
【技術的ポイント】
・人工光の波長と照度の最適制御による光合成の最大化
・水耕栽培に適した密植設計と養液循環による空間利用効率の向上
・成長段階に応じた精密な施肥・栽培管理による無駄のない投入資源制御
・AI・IoTを活用した環境・生育パラメータの最適化による省力・高精度運転
これらの要素により、極めて高い面積効率と資源効率を同時に実現しました。

さらに、人工光型植物工場の導入は、生産効率の向上にとどまらず、環境面および社会・経済面においても多くの利点をもたらすことが明らかとなりました。
【環境・社会的意義】
■ 環境面
・再生可能エネルギーとの組み合わせで、CO₂排出量を従来の1/10以下に削減可能
・都市近郊での生産により、輸送に伴う排出量も海外産比で1/20以下に削減
・水と肥料の使用量を1/10以下に削減
・土壌を使用しないため、N₂Oなどの温室効果ガスの発生を実質ゼロ化
・再生可能エネルギーの全面採用による化石燃料依存の排除
■ 社会/経済面
・通年生産に基づく安定供給体制と災害時対応力の強化
・雇用の創出とスマート農業人材の活躍機会の拡大
・育種/品種開発の高速化が可能な栽培インフラとしての展開
・医薬/機能性素材など高付加価値作物への応用展開
ファームシップは、次世代の農作物生産を支える植物工場の社会実装に向けた研究開発を継続し、技術革新を通じて農と食の持続可能な未来の実現に貢献してまいります。
お問い合わせ先
本件に関する取材・インタビュー、御問い合わせは下記までお願い申し上げます。
株式会社ファームシップ
広報担当:松本 貴数
E-mail: info@farmship.co.jp
TEL:03-5829-9601
http://farmship.co.jp